インターネットが生活の一部になり、スマホで検索しない日は無いくらいですね。
Web業界という言葉も一般的になり、ウェブサイトを作ることが仕事になる時代になり10年以上たちました。
日々使っているウェブサイトを作っている人がいるということですね。
この記事では業界歴20年の私が、独自の視点と経験からweb業界の職種分類をざっくり解説します。
会社や組織によって呼び名や担当分野は違う場合がありますが、概ねやっている範囲の違いです。
これからWeb業界に進みたいと考えている方は、参考にしてみてください。
- どんな仕事をしているのか?
- 仕事のやりがいは?
- 仕事の大変さは?
かなり個人的な視点が入っているので、他のサイトで紹介している内容とは異なるかもしれませんが、比較するための材料として読んでください。
Web業界とは
Web(ウェブ)業界は、インターネット上に表示されるウェブサイトを制作・Webサービスを運営することを仕事の範囲としている業界のことです。明確にこれがWeb業界と定義はないので、他の情報では違う範囲の場合もあると思いますが、この記事では上記の範囲で進めさせてもらいます。
Webはブラウザを介して公開されているWebページを表示しているので、Webページを作成するための各種技術をもった人が働いています。
同じような言葉に「IT業界」という言葉があります。
IT業界はもっと範囲が広く、通信ネットワークやサーバーなどの基盤となる設備の対応、機械や装置を動かすためのOSやプログラミング作業、アプリ制作など、Web業界を含む広い範囲の、ITを活用して仕事をしている業界を指します。
Web業界は、主にPCやスマホのブラウザで表示される画面を作成・運営している人たちの業界です。
職種はおおむね3種類
Webサイトは一人でも制作して、公開、運営することは可能ですが、会社では職種にわかれて分業していることが多いです。
主な職種
会社や組織によってはもっと細分化されていたり、職種を兼任している場合がありますが、考え調整する人、見た目を作る人、画面の動き・システムと連動するようにする人、の3種類に分類することができます。
職種が別れているのは、担当する分野の違いと必要なスキル(技術)の違いです。
小規模なサイトや個人的なブログなら一人で作ることもできます。
ただ、大規模なサイト・ページ数の多いサイトなど一人ではとても作業時間が必要な場合は、分業で進めた方が効率的です。
そのために、それぞれが持つスキルを生かして複数人のチーム体制を組み、分業体制で作業を進めます。
Webディレクター
Webディレクターは、主に制作全体の進行管理をおこない、プロジェクトが円滑に進むためにクライアントとメンバーの調整をすることが主な役割です。
サイトの方向性を決める役割を担っています。
会社によっては、プランナーを兼ねている場合、サイトコンテンツの企画を考えたり、サイトの骨子となるワイヤーフレームを作成したりします。
直接クライアント(依頼者)と打ち合わせすることがあります。
ウェブディレクターは、いくつかのタイプに分かれます。
- 営業タイプ
- プランナータイプ
- テクニカルタイプ
- デザイナータイプ
4つのうち、どれかのタイプの傾向が強い場合もありますし、複数のタイプの特徴を持っている場合もあります。
最初からウェブディレクターを目指すキャリアプランは無いわけではありませんが、いくつかの職種を経験してからディレクターになるのが一般的です。
職種を経験しておくことで、その分野のスキルが身についているので、判断基準として活かして仕事を進めていけます。
顧客視点を持った営業タイプ
営業型は、もともと営業を担当していた経験からお客様に提案していくタイプです。技術分野は得意じゃないので、時々実現できないようなお客様の要望を受けてきたりしますが、お客様対応は得意です。
アイデアで勝負するプランナータイプ
プランナー型は、Webコンテンツを考えるのが得意で、アイデアマンタイプ。トレンドや他社事例に精通していて、視野が広いのが特徴です。
技術的知見の深いテクニカルタイプ
テクニカル型は、技術方面に強くシステムやプログラムで問題解決を試みるタイプ。冷静沈着に物事に取り組む仕事スタイルの方が多いです。
ビジュアルで問題解決デザイナータイプ
デザイナー型は、ビジュアルや印象といったWebサイトの見た目から、クライアントの要望を解決していくことが得意で、デザイナーがキャリアアップしてディレクターになる場合が多いです。
Webディレクターに必要なスキル
コミュニケーション能力、調整能力、書類作成能力は必須の能力です。
クライアントの要望をまとめたり社内のタスク管理、協力会社との調整の為のコミュニケーションは欠かせません。
打ち合わせや作業の中で発生してくる問題を調整したり、スムーズに作業が進むように事前に調整したりと、水面下の動きも必要です。
また、打ち合わせの議事録やクライアントへの説明資料などたくさんの書類を管理更新していく必要もあるので、文章力やWordやExcelを使いこなす文章管理能力も必要です。
もし、調整やコミュニケーションがうまく出来ていないと、プロジェクトは噛み合わない歯車のように、思うように進まず、成功する可能性は極めて低くなります。
ディレクターはプロジェクト内の潤滑油となる存在といっても良いです。
プロジェクトを円滑に進めるためにはコミュニケーション能力、調整能力、書類作成能力は必ず身につけるべきスキルです。
Webディレクターのやりがい
クライアントやサービスの成長に貢献することが最大の喜びです。
ウェブサイトは作ることが目的ではなく、ビジネスや収益に対してどれだけ貢献できるかでその価値が決まると思います。
更新されないサイト、収益を伴わないサイト、閲覧されないサイトは残念ながら作る価値はありません。
ウェブディレクターとしては、クライアントのニーズを満たしつつ、クライアントのビジネスに対してどれだけ貢献できるサイトを作れたのかが、やりがいでありディレクターの価値です。
なので、ディレクターはビジネスに貢献できる意識を持っていることが大事です。
Webディレクターの難しさ
ディレクターは答えのない道を探していくような作業がつづいていくので、忍耐力をもとめられ、何事にもくじけない心がもとめられます。
クライアント等の関係各所、、社内のスタッフのタスク、外注・協力会社の対応など、関係する多くの人の要望や要件が数多く集まってきます。
それらを優先順位や影響度などを判断しながら調整していかなければ行きません。
そのため難しい判断が当たり判断するための情報収集があるとたくさんのことを同時にする必要があります。
そういう作業を忍耐強くこなしていく必要があります
ディレクターは、起きる課題に対して調整をし続けていくと言う難しさがあり、対応していく忍耐力が必要です。
Webディレクターに向いている人
ディレクターは、誰かと一緒に仕事をすることができ、それを楽しめる人が向いています。
ディレクターがいると言う事は、制作には複数人のスタッフが関わっており、その調整をする必要があると言うことです。
ディレクターは、事前に調整したい起きた課題に対応したりと自分以外の仕事をすることがほとんどです。むしろ、サポート業務といっても過言ではないです。打ち合わせも多いです。
それでも、誰かのサポートをしたり調整をしたりすることが好きな人はディレクター向きだと思います。
Webデザイナー
Webデザイナーは、主にブラウザに表示される画面のデザイン制作を担当します。
写真を配置したり、色味を検討したり、クライアントに求められる成果を出すためのサイトをビジュアルから解決していく思考で仕事をすすめて行きます。
会社によっては、HTMLやCSSを使ったコーディングをしたり、Javascriptなどを使って簡単なアニメーションを担当することもあります。
デザインの延長線としてロゴを作ったり、サイト内で使うアイコンを作ったりすることもあります。
Webデザイナーに必要なスキル
デザイナーには、画像編集スキルが必須です。
主にAdobe社のIllustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)を使って画像編集をします。これらのソフトを使い画像編集ができないと、仕事になりません。
WebデザインはPCやスマホの画面に表示される情報を写真やレイアウト、色で表現します。デザインしたものは最終的にはデジタル画像にして、サーバーにアップロードし世界に向けて公開されます。
最近はCanva やStudio、Wixなど複雑な画像編集ができなくてもWebデザインができるサービスもありますが、自分の思い通りにの処理・より複雑な編集をする場合には、画像編集ソフトの使い方を習得しておかなければいけません。
デジタルデータを編集するには、画像編集ソフトを使って編集できなければWebデザインは無理です。
ほかにもレイアウトや知識、色彩に関する知識など、視覚で感じる要素については広く知識があることが望ましいです。
デジザインソフトはライセンス料金がかかるので、これから勉強するにはちょっとハードルが高いね。→安い方法★
Webデザイナーのやりがい
クライアントの世界観を表現し、成果がでる機会に立ち会えるのがデザイナーの醍醐味と言えます。
Webデザインは、見ている方にどういう印象をあたえるか、どう行動してもらえるかを左右する大事な要素です。良いデザインであれば、「お問い合わせボタンを自然と押す」「購入するボタンへ誘導する」など、クライアントの成果に直結します。
人間は資格情報で多くのことを判断しています。
どんなに美しい見た目でも、成果がでなければ意味がありません。
その点、良いデザインをつくり、成果が出た時はとてもデザイナーとして嬉しい瞬間です。
Webデザイナーの難しさ
デザインを構成する要素は非常に多く、ソフトが使えればデザインができるわけではありません。また、毎回答えのないパズルを解いているようなものなので、産みの苦しみはあります。
以前のデザインでが正解だった手法が使えなくなるなど、時代の変化を追いかける大変さもあります。
もちろん限られた時間の中で良いものを作らなければいけない時間的大変さもあります。
クライアントによって要望も違いますし、トレンドで変化する価値観がデザインに影響してきます。
デザインのゴールまでの道のりは様々なので、毎回大変です。
Webデザイナーに向いている人
デザインに必要な要素は複数あると思いますが、私が考えるのはコミュニケーション能力が高い人です。
もちろん、色彩の選び方やレイアウトの作り方、フォントの選び方などが得意なひとがデザイナーに向いているとも言えますが、デザインは制限された中で限られた手法で情報を伝えなければいけません。
どうすればクライアントのゴールに誘導できるか、ウェブサイトという限られた中で実現させるのかは、コミュニケーションと捉えて問題ないと思います。
制限の中で相手に気持ちを伝えるにはコミュニケーション能力が高くないと対応は難しいです。
もちろんPCでデザインすることが得意なのも重要です。が、相手がこの画像を見たときにどう感じる?次にどう行動する?、と客観的に見れないとデザインは独りよがりなものばかりになってしまい、良いデザインにはなりません。
デザイナーであればあるほど、コミュニケーションの方法を学び、コミュニケーション能力を高めて行かなければなりません。
会話のキャッチボールが上手い人ほど、デザインの仕上げが上手いと感じる。
コーダー
コーダーとはWebデザイナーが作った画面イメージを実際にPCやスマホの画面上で操作できるように作業する人のことです。会社や組織によってはフロントエンドエンジニアなどと呼ばれます。
画像で作られたデザインは静止画なので動きませんが、実際のウェブページはボタンにリンクが付いていたり、画像がスライドしたりと操作できないと使えません。そこで、コーダーがコードを書いてブラウザで実際に操作できるように作り上げていきます。
おもにHTMLやCSSという言語をつかって画面上にレイアウトして、Javascriptなどを使って画面上の動きなどを設定していきます。
また、WordpressやMovableTypeなどのCMS(Webサイトを更新できるようにするシステム)を設定するためにプログラム言語の知識も必要です。
コーダーに必要なスキル
調査するスキルがコーダーには必須です。
もちろんコーダーは各種言語を駆使してウェブページを作り上げていきますが、大体スムーズに進むことはありません。思い通りのレイアウトにならなかったり、作ったレイアウトが他の箇所に影響を与えたりします。
崩れた原因を調べて解決して、また作って崩れて解決して・・・、そうして作り上げていくので、半分くらいは調査が必要です。
また、コーディングテクニックも日進月歩で進化していくので、新しいコード・テクニックなどを調べて対応していくので、根気強く調べて対応していくことは必要なスキルです。
原因を調査するために、論理的に物事を考えて整理して片付けていく思考も大事です。
他にもデザインされたファイルを開きながらHTMLにしていくので、Photoshopの知識や画像に関する知識も必要です。
いろいろなことを調査しながらしながら進めていくので、おのずと検索能力も高くなっていきます。
コーダーのやりがい
作成した画面が思った通りの動きをしたときに、コーダーは喜びを感じます。
試行錯誤しながら作り上げたサイトは、細かい点まで考え抜き、各種ブラウザ(GoogleChrome、Firefoxなど)やスマホの表示を調整したり、修正を繰り返していきます。最終的に美しい表示になったとき、苦労が報われたと感じます。
ただ、なかなかこの喜びが理解されないので、孤独を感じてしまうことも多いので、理解者が現われるととても親近感を感じてしまいます。
スムーズな動き、美しい表示はコーダーの苦労の賜物なので、褒められると喜びます。
コーダーの難しさ
コーダーは常に複雑なパズルを組み立てているので、寡黙に仕事しているように見えますが、頭はフル回転しています。
デザインされた画面をもとに、PCスマホで表示させるために考えるべきことはたくさんあります。HTML構造や共通化するレイアウト、表示スピードや各種のブラウザ表示対応。作っては確認の繰り返しです。
WordPressなどのプラグインなどを駆使してカスタマイズしていき、機能性も追加していかなければいけません。
デスクに座り、画面を見続けているので、腰痛や眼精疲労などはもはや職業病ですね。
少しでも疲れをへらすために、椅子やキーボードに拘りを持っている人も多いです。
頭脳は常に動き続けているコーダーは、多くのことを考えながら課題を解決していかなければならないので、頭を使う大変さがあります。
コーダーに向いている人
コーダーには論理的思考は必須なので、理論派の性格の人が向いています。
じっくり物事に取り組む人と言っても良いと思います。
常に画面を見つめながら黙々と仕事を進められる人にオススメです。
あまり人と話したりすることも少ないので、静かに仕事をしたいと考えている人はコーダーを目指すと良いでしょう。
問題を整理して、順序立てて考えられる方はコーダーになるため勉強をしてみましょう。
注目されている職種
インターネットが普及し、スマホですぐ調べられるので、ウェブコンテンツは生活の知恵袋として活用されています。
ウェブコンテンツを作る上で、「コンテンツ」の中身を作る仕事の需要が高まっています。
Webマーケター
ビジネスに最適なマーケティング戦略を考えるマーケターは、Webサイトの成功には欠かせなくなってきています。
特にSNSも多様になっており、利用者ごとの傾向や要望も様々になってきています。
ウェブディレクターが兼務する場合などもありますが、より専門的なマーケティング能力を求められる時代になってきたので、Webマーケターの需要も高まってきています。
Webライター
文章はウェブコンテンツには欠かせない要素で、ライターはWeb制作には欠かせません。
特に文章はSEO(検索エンジンの最適化)のためにも疎かにできないので、必要とされる情報を正確に伝える文章は、まだまだ求められています。
近年のウェブサイトに求められる権威性・専門性は、ウェブコンテンツで判断される傾向にある為、どれだけ情報を掲載しているか、発信しているかは重要です。
ただ、AIが文章を自動的に作成できるようになってきているので、ただ文章が書けるだけでは難しくなって来るでしょう。専門的知見、独自の分析軸、表現の豊かさ、SEOに関する知識など、より強みをもった対応が必要になります。
SNS運用
企業が運用するアカウントのコンテンツの更新を代行するお仕事があります。
コンテンツの企画や、画像作成、投稿など、社内では対応できない場合に代わりに更新していくお仕事です。
SNSで企業が情報発信することは一般的になってきました。ただし、TwitterやInstagram、Tiktok、Facebookなど各種SNSを更新していくのは時間とコストがかかり大変です。また各SNSごとに特徴やユーザーが異なるので、それぞれに戦略が異なります。
各SNSの特性を把握しつつ更新し、ブランドを高めていくSNS運用は近年、中小企業を中心に求められています。
まとめ
Web業界と言ってもたくさんの職種があります。もしこれからウェブ業界に入りたいと考えているなら、自分がどういう職種に向いているか、どういうキャリアプランを描けるか考えてみましょう。
- Webディレクター
- Webデザイナー
- コーダー
また、WebライターやSNS運用などウェブ業界に対する新しい関わり方の分野もあります。
オンラインスクールで勉強したり、実際に自分でブログを作って実力を試したりすることもできます。
IT業界は多くの仕事が生まれ、常に新しい技術が生まれているので、常に新しい人材が求められています。
もしIT業界は業界に興味があれば、挑戦してみてください。